MALAYSIA

マレーシアは、シンガポール北側のマレー半島と、ブルネイのあるボルネオ島北部から成り立つ海洋国家です。最大の特徴は、様々な天然資源に恵まれていることです。原油、スズ、金、鉄鉱石、ボーキサイト、石炭、天然ガスなどの鉱物資源が豊富に採れ、パーム油、サトウキビ、ココナッツなどの農産物が生産されています。
1985年のプラザ合意後には多くの外資企業を生産拠点として誘致し、それらの企業の輸出によって工業化が大きく進展しました。とくにエレクトロニクス産業は、インテルなどの北米企業の一大生産拠点となり、半導体製造やテレビ、パソコン部品などの分野で産業集積が進みました。
しかし、近年は人件費の上昇により、生産拠点としての発展に陰りが見られています。石油化学産業や自動車産業の育成が進められ、IT分野での産業の高度化を目指す動きもあります。こうした産業構造を反映し、現在では、電気電子製品、機械・輸送機器、鉱物燃料が輸出の大きなウェイトを占めています。

政治 ~Politics~

マレーシアは13州からなる連邦国家です。国王を元首とする立憲君主制のもと、議院内閣制を採用しています。議会は上院と下院からなる二院制で、政府のトップである首相は下院議員の中から国王によって任命されますが、慣例的に下院の最大政党の党首が就任します。地方には各州に政府・議会が存在しますが、連邦制といっても各州の権限はそれほど大きくはありません。
1957年にイギリスから独立して以降、与党連合の国民戦線が長期政権を維持しています。最大政党は、マレー人のみで構成される統一マレー人国民組織です。与党も野党も民族ごとに組織されていることから、その民族に利益をもたらす政策を進めようとします。また、与党支持が多い農村部に多くの議席が割り当てられており、報道の自由は制限され、政権の反対勢力がしばしば逮捕される等、先進国と比べ民主主義はまだまだ未成熟といえます。

経済 ~Economy~

マレーシアで注目すべき点は、経済活動を行うにあたっての基盤が整っていることです。電気、ガス、水道、道路などのインフラが充実し、鉄道、港湾の整備も進んでいます。また金融市場も発達しているため資金調達がしやすく、生産年齢人口が2050年頃までは増加傾向のため労働力にも期待できます。さらに、多民族国家という特性上、実質的な公用語として英語が使われてきた背景から、国民の多くが英語を話すことが出来ます。このように、投資先として、マレーシアは大変魅力のある国といえます。
一方、マレー系住民を優遇するブミプトラ政策の閉鎖性や、人件費上昇による外資系企業の負担増加、原油依存が高いため原油相場次第では経済が不安定化することなど課題もあります。産業高度化のためは、財政や国有企業優遇政策の改革が必要とされています。

ワンポイント情報 ~Information~

マレー人は穏やかな人たちが多く、日本と韓国を手本に経済成長を進めた経緯があることから、日本人に対して好意的です。治安が良く、生活環境は日本と同じくらい便利である一方、物価は日本よりも低水準にとどまることから、日本人が住みたい国ナンバーワンに9年連続で選ばれています。
首都クアラルンプールには2011年7月に東京浅草の街並みを模した「東京ストリート」、2016年10月にはクールジャパンをコンセプトにした「イセタン ザ ジャパン クアラルンプール」がオープンしており、日本文化への関心の高まりが期待されます。

統計データ

人口 約2,995万人(2013年マレーシア統計局)
面積 約33万km²(日本の約0.9倍)
首都 クアラルンプール
民族 マレー系(約67%)、中国系(約25%)、インド系(約7%)
(注:マレー系には中国系及びインド系を除く他民族を含む)
言語 マレー語(国語)、中国語、タミール語、英語
宗教 イスラム教(連邦の宗教)(61%)、仏教(20%)、儒教・道教(1.0%)、ヒンドゥー教(6.0%)、キリスト教(9.0%)、その他
政体 立憲君主制(議会制民主主義)
元首 アブドゥル・ハリム・ムアザム・シャー第14代国王
名目GDP 約296.22億米ドル( 2015年 )
1人当たりGDP 10,548米ドル(2013年)
主要産業 第一次産業9.4%
第二次産業41.0%
第三次産業49.6%
経済成長率 4%(2015年)
消費者物価指数 0.5 (2016年4月IMF)
失業率 3.1%

人口ピラミッド(2017年)

malaysiapyramid
出展:Population Pyramids of the World from 1950 to 2100