PHILIPPINES

フィリピンは、南北1,851kmにわたって散在する7,000以上の島々からなる島嶼国家で、そのうち約1,000島に居住所があり、2.5km²以上の面積を有する島は半数以下です。1990年までに約半分の人口が都市部に居住していたフィリピンは、アジア開発途上国の中でも都市化が最も進んだ国の一つです。日本から5時間程と気軽に行けることもあり、日本人にも人気のフィリピンには、リゾート地として人気のセブ島や、世界で一番美しい島に選ばれたことがあるパラワン島など、アジア有数の美しいビーチがあります。
フィリピンの公用語は、フィリピノ語(一般にタガログ語と呼ばれる)と英語です。フィリピンの方言や民族は約80にのぼり、各地でそれぞれの言葉が話されていますが、基本的にどこにいってもフィリピノ語と英語は通用し、テレビでは英語の番組が日常的に流れています。

政治 ~Politics~

第二次世界大戦終了後、1946年に米国からの独立を宣言し、フィリピン共和国が誕生しました。1965年に就任したマルコス大統領による20年間に渡る強権的な独裁政権は、フィリピン発展の妨げとなってしまいましたが、エドサ革命により終わりを告げました。その後は規制緩和の推進、電力供給の安定化や比較的高い経済成長率の達成、日本企業の工場誘致に成功、2010年にアキノ3世が大統領に就任してからは、腐敗した政治体制が改善したこともあり、海外からの投資を活発に受け入れることができるようになっていきました。国民からの信任も厚かったアキノ3世は、安定した政治運営を行いました。
2016年5月の大統領選挙で南部ミンダナオ島ダバオ市のドゥテルテ市長(当時)が当選、同年6月にドゥテルテ政権が発足しました。ドゥテルテ大統領は、違法薬物・犯罪・汚職対策、ミンダナオ和平を重要課題に掲げており、連邦制導入のための憲法改正を目指しています。

経済 ~Economy~

1980年代半ば、政治の混乱が原因となり、「アジアの病人」と呼ばれるほど経済不振が深刻化しました。1990年代まで、フィリピンの経済成長率はASEAN主要国の中で最下位でした。しかしその後経済成長率は好転、2012年以降の経済成長率はASEAN主要国の中でもトップクラスです。この経済成長の土台にはODAを含む日本の支援も影響しており、対フィリピン援助額は、日本二国間ODAの累計ではインドネシア、中国、インドに次いで第4位と、日本はフィリピンにとって最大の援助供与国の一つといえます。
しかしフィリピン国内ではまだまだ貧富の差が激しく、貧困撲滅が国家の直面する緊急課題の一つとなっています。

ワンポイント情報 ~Information~

フィリピンはスペインに300年間、アメリカに60年間、そして日本に3年間、植民地としての支配を受けました。スペインはキリスト教や貨幣(ペソ)などの文化生活を、アメリカは教育や芸能、ファッションの文化をもたらし、フィリピン人の生活スタイルに大きく影響しました。日本は文化的には何ももたらさなかったと言われていますが、過去の過ちをゆるす寛大な国民性のおかげで、フィリピンは「アジアで最も対日感情が改善された国」とも言われています。近年では、企業の経済協力、政府の支援、出稼ぎ労働者の交流などから、日本への評価や関心が高まっています。

統計データ

人口 約1億98万人(2015年)
面積 299,404㎢(日本の約8割、7,109の島々がある)
首都 マニラ
民族 マレー系が主体。ほか中国系、スペイン系、少数民族
言語 国語はフィリピノ語、公用語はフィリピノ語及び英語。80前後の言語がある。
宗教 国民の83%がカトリック、その他のキリスト教が10%。イスラム教は5%(ミンダナオではイスラム教徒が人口の2割以上)。
政体 立憲共和制
元首 ロドリゴ・ドゥテルテ大統領
名目GDP 2,920億ドル(2015年)
1人当たりGDP 2,858ドル(2015年)
主要産業 農林水産業(全就業人口の約27%が従事)。
近年サービス業が大きく成長(全就業人口の約56%が従事)(2016年1月)
経済成長率 5.8%(2015年)
消費者物価指数 147.2(2017年2月)
失業率 6.3%(2015年)

人口ピラミッド(2017年)

philippinespyramid
出展:Population Pyramids of the World from 1950 to 2100