SINGAPORE

シンガポールはわずか東京23区ほどの面積の都市国家です。総人口は約571万人ですが、シンガポール国籍をもつのは約330万人で、それ以外は外国人や外国籍の永住権保有者です。民族構成は、中華系74%、マレー系13%、インド系9%、その他3%で、言語は中国語、英語、マレー語、インドのタミル語等が使われていますが、ビジネスの場では英語が標準的に使われています。1人当たりの名目GDPは5万6287ドル(2014年)で、日本をはるかに上回る所得水準を誇っています。政府が外国企業を積極的に誘致し、外国の資本や技術による産業の高度化を果たしたことで、小さな国はアジア屈指の富裕国となりました。

政治 ~Politics~

シンガポールは、1963年にイギリスから独立しマレーシア連邦の一州となりましたが、マレー系住民を優遇するマレーシア政府と、中華系民族の多いシンガポールでは政策面で対立が大きく、1965年にマレーシアから分離、シンガポール共和国として独立しました。この時に国づくりの指揮をとったのが、リー・クアンユー初代首相です。独立時の失業・貧困問題を解決するため、強権を発動して経済発展を急ぎ、製造業の振興と海外企業の誘致が積極的に行われました。強力な政治基盤と大胆な開発政策により、今日のシンガポールの礎が築かれました。

経済 ~Economy~

輸出関連の製造業や、国際的な商業・金融取引を行うサービス業が産業の主力であるシンガポールは、その地理的特性と大型でシステム化された港湾施設などにより、グローバルなサプライチェーンを支える拠点として大きな役割を果たしています。法人税が17%と低く、外資系企業に対する投資優遇制度が設けられており、さらに株式等の資本取引で生じるキャピタルゲインが非課税であるなど、投資を行う上でとても魅力的です。また、コンプライアンスに対する認識の厳しさはアジアでも抜きんでています。
その一方、労働人口に占める外国人の割合が拡大し、所得格差など社会問題の深刻化により、政府は2009年に外国人雇用について抑制する方針を打ち出しました。サービス業を中心に人件費が上昇し、雇用が難しくなっています。シンガポールでのビジネスを考える際には、周辺国での企業活動を含めて総合的に検討する必要がありそうです。

ワンポイント情報 ~Information~

労働コストはもとより、オフィスの賃料などあらゆるコストが日本並かそれ以上に高くなるという点には注意が必要です。しかし、大卒者が多く、ほとんどのシンガポール人が英語および中国語が話せるため、有能なスタッフを採用することは比較的容易といえます。また一般的に労使関係は良好で、ストライキが発生するリスクは低いとされています。

統計データ

人口 約554万人(うちシンガポール人・永住者は390万人)(2015年6月)
面積 約719平方キロメートル(東京23区と同程度)
民族 中華系74%、マレー系13%、インド系9%、(2015年9月)
言語 国語はマレー語。公用語として英語、中国語、マレー語、タミール語。
宗教 仏教、イスラム教、キリスト教、道教、ヒンズー教
政体 立憲共和制(1965年8月9日成立)(英連邦加盟)
元首 大統領(任期6年。トニー・タン・ケン・ヤム現大統領は、2011年9月、第7代大統領として就任。)
名目GDP 2,927.39億米ドル( 2015年 )
1人当たりGDP 52,888米ドル(2015年)
主要産業 第一次産業0%
第二次産業25.1%
第三次産業74.9%
経済成長率 4%(2015年)

人口ピラミッド(2017年)

singaporepyramid
出展:Population Pyramids of the World from 1950 to 2100