THAILAND

タイは日本の国土の約1.4倍の広さで、人口は約6,800万人(2016年9月現在)です。インドシナ半島の中心に位置し、ミャンマー・ラオス・カンボジアの3国に囲まれたタイは幹線道路で結ばれており、大メコン圏の中心国となっています。
首都はバンコクですが、これは英語名(Bangkok)で、多くのタイ国民は「クルンテープ(天使の都)」と呼んでいます。民族のほとんどはタイ族で、華人系、マレー系もいます。
タイの宗教は戒律の厳しい仏教で、国民は信仰心が厚いことに加え、王室への尊敬の念を持ち続けています。1946年に即位し、2016年10月に亡くなったラーマ9世(プミポン)国王は絶大な人気を誇っていました。国王が亡くなったことで、一時的な景気の減速や将来的な政局不安定化が懸念されていますが、プラユット首相は経済への影響を最小限に抑えたいという意向を表明しています。

政治 ~Politics~

2006年9月にクーデターによりタクシン政権崩壊後、タイの政治勢力は地方農民や貧困層によるタクシン派と、都市部の中間層、軍や官僚等のエリート層を中心とする反タクシン派に二分化されました。現在は政治・軍事の多くの権限を保有する国王の承認のもと、暫定的に軍事政権が敷かれています。2016年8月には新憲法草案が国民投票で承認され、2017年には総選挙実施が予定されています。民政移管による格差是正が進めば、政治が安定化するものと思われます。
国内では不安定な政治情勢が続いていますが、政府は経済情勢の変化に対応し、持続的な経済成長と経済構造改革を推進しています。投資委員会(BOI)による海外からの投資優遇制度が設けられており、条件により法人税免除などの優遇措置を受けることができます。
(参考)外資に関する奨励(JETRO)

経済 ~Economy~

タイでは長い間農業が中心でしたが、外資主導の工業化により経済が発展してきました。1985年以降、自動車・電気・石油化学メーカー等の製造業を含む多くの日本企業が、安価な労働力を求めてタイへ進出しました。バンコクから車で1~2時間以内の範囲に多くの工業団地が密集しており、「アジアのデトロイト」と称されその産業集積はASEAN随一です。
タイは消費市場としても期待が高まっています。2020年には中間層(世帯収入35,000ドル~50,000ドル)の割合が全体の7割となることが予想されています。タイではクレジットカードを所有できる所得基準が年間約5,400ドルなので、今後クレジットカード所有の中間層が増え、消費が一段と活発化することが期待されています。家計支出では、家電や自動車などの耐久消費財、教育費や海外旅行、レジャーなどのサービスなどの選択的消費支出がさらに拡大していくことが予測されています。

ワンポイント情報 ~Information~

2011年の歴史的な大洪水で日系企業も甚大な被害を受けましたが、タイ政府の復興支援と治水対策、公的保険制度の創設等により、タイから撤退した日本企業はごく少数にとどまりました。富裕層や上位中間層の間ではワンランク上の日本流サービスのニーズも高まっており、日本企業にとっては魅力的な投資先といえるでしょう。留意すべき点は、タイにおいてサービス業は原則、外資側が株式の過半数を取得できないことです。地場企業との合併かフランチャイズの形態でなければならず、進出する場合は提携相手探しから始める必要があります。

統計データ

人口 6,510万人(2016年9月現在)
面積 51万4,000km²(日本の約1.4倍)
首都 バンコク
民族 大多数がタイ族。その他 華人,マレー族等
言語 タイ語
宗教 仏教 94%,イスラム教 5%
政体 立憲君主制
元首 プミポン・アドゥンヤデート国王(ラーマ9世王)
名目GDP 3,952億ドル( 2015年 )
1人当たりGDP 5,878ドル(2015年)
主要産業 第一次産業35.07%
第二次産業37.0%
第三次産業27.94%
(タイ統計局 調査年2015年12月)
為替レート 1円/
経済成長率 3.5%(2016年)
消費者物価指数 0.23 (2016年4月IMF)
失業率 0.7% (2015年12月)

人口ピラミッド(2017年)

chinapyramid
出展:Population Pyramids of the World from 1950 to 2100